前回、 ほぼ一夜漬けで「金融個人情報保護オフィサー2級」の試験を受験したこと、自己採点の結果、合格した旨話した。
今回はこの試験を受けた感想と受かるための勉強として重要なことを書いておく。
5 「金融個人情報保護オフィサー2級」の感想
まず、本番終了後からこの試験を振り返る限り、この試験は難しい試験ではなかった。
この試験のために投入した時間は、試験を受けるための時間を加えても20時間に満たない。
その意味では、ビジネス実務法務検定試験2級や「AML/CFTスタンダード」と似た感じ、と言える。
次に、この試験は「『合格したら云々』とは言えないが、『落ちたら云々』とは言え得そう」という感想を持った。
この辺は「40の手習い」と称して令和元年以降に受けてきた資格試験と同様である。
まあ、この辺は資格試験の本来の性質から考えれば当然のことだが。
他方、私は「今回の勉強で個人情報保護法に対する理解が深まった」といった感覚を抱けなかった。
むしろ、「私はいったい何を勉強したのだ」という感覚が残っている。
ちなみに、この感覚はこれまで受けてきたどの試験にもなかったものである。
例えば、簿記3級・2級については、複式簿記や会計に関する様々な知見を得ることができた。
統計検定2級については、統計に関する知識のブラッシュアップができた。
基本情報技術者については、長年欲しいと思っていた「ITに関する網羅的な知識」を得ることができた。
ファイナンシャル・プランナーの3級と2級については、お金(資産)に関する知見を得ることができた。
python3エンジニア認定基礎試験については、pythonの文法に関する基礎的な事項を学ぶことができた。
ビジネス実務法務検定試験2級については、多岐にわたる法律についてざっと見ることができた(試験に受かるために重要な法律が民法・商法・会社法の3つであるとしても)。
AML/CFTスタンダードについては、犯罪収益移転防止法やマネロン対策における様々な知識が得られることができた。
これに対して、金融個人情報保護オフィサー2級についてはそんな感じがしない。
9割近い正答率をたたき出したのであれば相応の知識を得たはずであり、「本試験の勉強を通じて『個人情報保護法とその実務に関する知見』が得られた」という感想を持ってもおかしくないのに。
もちろん、「この試験に受かったことで、実務でこの試験勉強を通じて学んだことを活かせる」という感覚もない。
何故こうなったのかは分からない。
「選択式の問題が50問」という試験形式のせいだろうか。
もっとも、この形式は「AML/CFTスタンダード」と同じである。
あるいは、「私自身が資格試験に受かることに適応しすぎてしまったため」だろうか。
どうなんだろう。
6 合格するために重要なこと
最後に、合格するために重要なことをメモしておく。
まず、「試験に合格するために重要なことは過去問演習である」という点が挙げられる。
前回述べた通り、私は本試験に合格するために次の過去問問題集を購入し、直近2年分(試験形式が今回と同じ)は2回解き、それ以外のものも1回は解いた。
また、問題を解いて終わりとはせず、問題の解説も読んだ。
間違えたときは特に念入りに。
試験対策として考えるならば、これで充分である。
この点、私は学習用の資料として、個人情報保護法、同施行令、同施行規則、通則ガイドラインなどの資料を印刷した。
「何かの折に辞書代わりにしよう」と考えて。
しかし、これらのコピーはほとんど参照することがなかった。
今振り返ると、問題解説集の解説で十分だったといえる。
次に、「『満点を取る必要はない』という意識が重要である」ということも言える。
この試験の合格点は概ね6割であり、本番に登場する50問のうち20問は間違えることができる。
その結果、「過去問をしっかりとやればいい。過去問で登場しなかった問題は捨てても構わない」くらいに割り切っても大丈夫ではないかと考えられる。
最後に、「根拠の把握が大事である」ということを感じた。
過去問演習において、「選択肢の結論部分は正しいが、その根拠が間違っているため誤り」というものがあった。
試験前に演習していた際には、「根拠まで細かく覚えなければいけないのか」とかなり暗い気持ちにさせられた。
でも、過去問で登場する範囲だけでもちゃんと押さえるべき、と言える。
以上、金融個人情報保護オフィサー2級の試験を受けたことを振り返ってみた。
次は金融コンプライアンスオフィサー関係かなあ。
既に、次の教科書は購入しているし。