薫のメモ帳

私が学んだことをメモ帳がわりに

ビデオニュース・ドットコムの年末恒例丸激ライブに参加する

 先週末の12月17日、私は次のイベントに参加した。

 

www.videonews.com

 

 このイベントの主催者、「ビデオニュース・ドットコム」のインターネット番組「丸激・トーク・オン・ディマンド」は、私が約20年以上聴き続けているインターネット番組である。

 ここで、「20年聴き続けている」と書いたが、飽きっぽい私から見れば異様なことではないか、という感想を抱かないではない。

 

 この番組の中心人物は、ビデオ・ジャーナリストの神保哲生東京都立大教授の宮台真司先生である。

 私が宮台先生を知ったのは約20年前の大学院生のころ、当時の宮台先生はまだ助教授(今の准教授)だった。

 この宮台先生のおかげで私は社会学の知識を広げていくことができた。

 宮台先生がいなければ、このメモブログで頻繁に登場する小室直樹先生に触れることはなかっただろう。

 その意味で、宮台先生は(親族以外で)私の尊敬する人間の1人と言ってもよい。

 

 御存じの通り、宮台先生は約1年前に何者かに襲撃され、去年の年末恒例丸激Liveは延期になった。

 襲撃の一報を聴いたとき、非常に心配した記憶がある。

 ただ、その心配は杞憂に終わった。

 

 

 さて、年末恒例丸激Liveというイベント。

 このイベントでは、宮台先生や神保さんを電波やネット回線を介することなく直接(!)拝見することができる

 10月以降、私の生活環境、社会環境は大きく変わっていたが、12月に入って徐々に慣れてきた。

 そこで、私は「このイベントになんとかいこう」と日程や費用の調整などを行うことになる

 そして、なんとかそのイベントに参加できることになった。

 

 さて、当日。

 私は生宮台先生を拝見する

 前回、宮台先生と神保さんを拝見したのは2019年の12月。

 約4年前のこと、某コビット・ナインティーンが世界をにぎわす直前であった。

 

 この点、私は体調的にすぐれなかったこと、翌日の予定などから番組公開部分のみしか拝聴できず、配信されない質疑応答の部分は聴くことができなかった

 しかし、非常に意義ある経験をすることができた。

 宮台先生の元気な姿を直接拝見したこと、それ自体が大きな収穫である。

 

 また、本イベントは約1000人が入場できるホールで行われていたところ、空席はほとんどなかった。

 つまり、このイベントに(員数ではなく実数で)約1000人の方が参加したことになる

 これはこれですごいなあ、と考えないではない。

 

 

 もっとも、宮台先生と神保さんのトークを聴いていて気になることもあった。

 今後の私への宿題としてここにメモをしておく。

 

 まず、宮台先生は「日本に起きている様々な問題は『日本の近代的劣等性』による」と述べている。

 そして、山本七平氏や小室直樹先生の本を読み、かつ、それらの知識を用いてニュースを眺めている私も上の評価には同意するし、納得もできる。

 しかし、その一方で次の3つの疑問も浮かんでいる。

 

・日本から近代的劣等性を排除さえすればいいのだろうか?

・日本は近代的劣等性を克服できるのだろうか?

・近代的劣等性を克服した日本は『日本』なのだろうか?

 

 宮台先生は先人の言葉を引用しながら、日本の病理の一つに「一番病」を掲げている

 この点は私個人に心当たりがありすぎるため、非常に納得でき、同意もできる。

 しかし、「日本に起きている様々な問題は『日本の近代的劣等性』による。よって、日本の近代的劣等性を克服しよう」という発想そのものが既に「1番病」なのではないのか、という感想を抱かないではない。

 

 次に、宮台先生は加速主義を主張されている

 私自身、先生の主張に大いに共感する。

 ただ、あれだけの悲劇・損害を出した太平洋戦争から学べなかった日本が「近代的劣等性を克服するために学ぶ」ということがイメージできない。

 もちろん、一部の個々の日本人が大いに学ぶことは絶対にありうるとしても、「日本社会(日本教)はその学びを拒絶する」ということをイメージすればいいか。

 

 最後に、仮に、日本が未来と過去の悲劇から学び近代的劣等性を克服したとして(正直に言えば、私はありえないと考えているが)、それは果たして『日本』なのだろうか?

 この点、「日本人のY染色体をもっている人間で構成されている以上日本社会だ」というのならそれ全く構わないが、それは一種の天皇陛下を男系でつなぐべきと考えている前提と同一である。

 

 どうなんだろう。

 最後の問いは、銃規制をするアメリカは「アメリカ」なのか的なものがあるので、それは感情の問題のような感じもしないではないが。

 

 当然だが、これらの問いについては私自身がどう考えるのかを決定する必要がある。

 もちろん、さらに色々と学ぶべきこともあるだろう。

 さらに、今の状況では質問などできようはずもないから、社会的なアクションも必要になる。

 現在の生活環境、社会環境を考慮すれば向こう数年はこれを質問するのは難しいと考えているが。

 

 

 最後に、私は読書メモを作る過程その他で、小室直樹先生や山本七平氏の本を読み、それに加えて、岸田秀氏の本も読むようになった。

 

ja.wikipedia.org

 

 また、最近、宮台先生が山岸敏男先生の主張を参照されることもちらちら見かけている。

 

ja.wikipedia.org

 

 この辺も時間を見つけて本を見てみるようにしたい。

 

 

 以上、12月17日は非常に良い経験をすることができた。

 よって、備忘のためにこの日にあったことをメモにしておく。