1 はじめに
少し前、「会計に関する資格を取ろう」ということで簿記3級の資格を取った。
そこで、記憶を掘り返してそのときのことを書く。
簿記3級に関心があればさっと読んでみてほしい。
2 動機
まず、簿記3級の資格を取ろうと思うに至った経緯から説明する。
私が簿記3級の資格を取ろうとした目的は次の2点になる。
① 会計・経済の勉強がしたい
② 「資格を取る」という行為を通じて勉強する習慣をつけたい
まず、私はこれまで会計や経済の勉強する機会がなかった。
そこで、「一度、会計や経済に関する勉強をしたい」と思った。
ただ、「勉強をするなら、何らかの客観的・具体的なものを残したい」と考えた。
「本を読んで勉強した」だけでは主観的な意味はあっても客観的な意味はほとんどない。
そこで、「勉強をして資格を取る」ことを目標にした。
次に考えたのが「何の資格を取るか」。
会計・経済に関する知識がないため難しい資格を狙うと挫折する。
そこで、簡単な資格を狙うことにした。
また、「簿記」については「昔一度取ろうと思って書籍を買ったものの1ページも読まない」ということがあった。
そこで、「じゃあ『簿記』を真面目に勉強しよう」ということになった。
最後に悩んだのが「2級か3級か」である。
「3級と2級は同時に受けられる(当時、午前中に3級を受け、午後に2級を受けることができた)」ので「3級の試験も受ける」ということにした。
あと、「平成が終わり、令和になる」ということで「継続的に勉強する習慣を身に着けたい」と思った。
そして、「勉強する以上、何か成果を残したい」と考えていた。
これも背景にある。
以上の経緯を経て、簿記3級の勉強を始めた。
3 利用した教材
私が使った参考書は次の2冊である。
ただし、リンク先の書籍は最新版であり私が本当に買った本は当時の版である。
これは教科書(インプット教材)である。
こちらが演習教材(アウトプット教材)である。
私はこの2冊以外に手を出さなかった。
この2冊があれば簿記3級対策は十分である。
確かに、別の参考書という選択肢は全然ある。
相性の問題もある(必ずある)し、他の参考書と比較してこの本を選んだわけではない(私はこの2冊を特に考えずに選んだ)ので、「この2冊がおススメ」とは言わない。
しかし、「上の2冊の他にさらなる何かが必要」と考える必要はない。
もし必要な部分があるならば、それはこの本よりも細かい知識ではなく、簿記へのイントロダクションの部分である。
ただし、私の場合、この本にある簿記の導入・入門部分で充分だった。
4 勉強内容
教科書を用いた学習方法は次のとおり。
教科書を読み、書いて覚え、問題演習で記憶を定着化させる。これを約3回繰り返す。
学習の方法は「理解」と「暗記」であるところ、「私は忠実に実行した」としか言えない。
それから、今回は「理解」→「暗記」の順番だった。
また、簿記3級の勉強は「教科書の勉強」がその大半を占めた。
上で「2冊あれば十分」と述べたが、内容に関しては教科書1冊でもほぼ十分であると言える。
次に、演習教材に関しては試験直前に1回過去問・予想問題を解いた。
そして、ミスったところを復習した。
予定では問題集を3周する予定であったが、1周しかせずに終了。
教科書による勉強が十分だったせいか1度で充分だった。
また、教科書による勉強に時間を割きすぎたせいか繰り返す時間もなかった。
5 試験について
資格試験というものは久しく受けていなかったため、試験本番は緊張した。
ただ、十分な準備ができたせいか75分足らずで問題を解ききってしまい、あとは適当に時間をつぶしていた。
そして、結果は合格である。
6 感想
簿記3級の勉強はやってよかった。
具体的なメリットを挙げると次の感じになる。
「過去に身に着けていた習慣が今でも使えることが確認できた」
「資格が一つ増えた」
「複式簿記の考え方が身に着けられた」
「簿記2級を狙う上で重要な足場になった」
確かに、資格を取るということはお金(受験料+教科書代)と時間がかかる。
特に、時間については決して少なくない。
しかし、今回に関してはそれに見合う代価は回収できたと判断している。
特に、簿記2級からスタートしなくてよかった。
もし、最初から2級を目指したのであれば(昔買った書籍も2級の参考書であった)挫折していたし、3級すら取れなかったと思っている(この点については別の機会で)。
7 反省点
反省点としては「時間をかけすぎたかな」・「気負いすぎたかな」というのはある。
簿記3級に合格できず目標が達成できなくてもせいぜい投入したリソースが無駄になるだけなので、もっと気楽に考えてもよかったとは思っている。
以上、簿記3級に受かったときのことを述べた。
ありきたりのもので恐縮だが、よかったら参考にしてほしい。
8 追伸
最後に、勉強中に私が思った感想を。
1、決算時の費用・収益の調整について「仕訳編」で学んだときは非常に難しかった。ただし、ここで得た知識を用いる場所は仕訳ではなく精算表の処理のときである。精算表を見ながらであればそれほど難しく感じなかった。
2、簿記3級の教科書は大枠として仕訳・帳簿・決算に分類される。ページで見た割合だと仕訳の割合が多いが、帳簿や決算もページ数の割合に劣らず大変である。また、試験の出題内容から見ても大事なのは後者である(仕訳の問題は大問5つのうち1つしかない)。
3、理系の人だから敬遠する必要は全くない。むしろ有利ではないかとさえ思える。