1 はじめに
少し前のことになるが、「会計に関する資格を取ろう」ということで簿記2級の資格を取った。
そこで、記憶を掘り返してそのときのことをメモにしておく。
なお、簿記3級の資格を取ったときのことは次の記事にメモしたとおり。
2 一度目の簿記2級の試験を敵前逃亡するまで
簿記2級の資格を取ろうと考えた時期は簿記3級の資格を取ろうと考えた時期と同じである。
だから、簿記2級を受ける動機は簿記3級を受ける動機と同じである。
端的に書けば次のとおり。
・勉強する習慣を取り戻したい、また、勉強の成果を資格という形で残したい
・経済・会計に関する勉強がしたい
色々考えた結果、私は簿記3級と2級の試験を同日に受ける(3級と2級は同じ日に試験を受けることができる)ことにした。
そして、試験日の約10週間前、簿記3級と2級の教科書・過去問集を買い込み、勉強を開始した。
この10週間という期間、決して長いわけでも短くもない。
私がちゃんと勉強する人間であったならば、勉強して試験を受け、両方とも合格していただろう。
しかし、簿記3級の勉強をある程度までしたところで簿記の勉強の歩みは完全にストップした。
そして、試験直前までほとんど進まなかった。
この点、簿記3級については教科書を読み掲載されている問題を解いた。
また、簿記3級については問題集を使って過去問を解いた。
しかし、簿記2級については全く手が付かなかった。
そこで、「今回は3級に合格できればとりあえず良いか」と2級の試験は敵前逃亡することになる。
結果、簿記3級の試験は合格。
しかも100点満点の合格、オーバーキルのような結果だった。
これを見て、少しだけ「ダメもとでいいから受ければよかったか」と反省する。
また、「次回の試験を受けて、その試験で必ず合格する」と決意するのである。
3 2回目の試験まで
この点、一度試験から敵前逃亡すれば、「次は真面目に勉強しよう」と考えそうなものである。
もっとも、私は懲りなかったのか、あまり勉強しなかった。
この点、前回と異なり、全く勉強しなかったわけではない。
例えば、私は次の教科書(リンクは最新版、私が持っている年度や版は当時のもの)を購入していた(簿記2級は商業簿記と工業簿記がある関係で教科書は2冊ある)。
そして、簿記3級のときと同様、教科書を読み、教科書に掲載されていた問題を解いていった。
ちなみに、工業簿記は計算がメインということもあり非常にやりやすかった。
簿記3級のところでも少し触れたが、この資格は理系だから敬遠する必要はない。
むしろ、有利な面もあるのではないかと考えている。
理系の人が簿記2級を受ける際は、簿記3級の商業簿記の部分の知識を身に着けたら、先に工業簿記から始めるのもありかもしれない。
また、上に掲げた教科書は私にとって分かりやすかった。
簿記3級の時も述べたが、「この教科書があれば、それ以上の知識は必要ない」と考えている。
相性の問題はあるとしても。
しかし、先に述べたとおり、私はさほど勉強しなかった。
その結果、教科書の最後の部分(商業簿記なら連結決算の部分、工業簿記なら分析する部分)が十分理解できなかった。
工業簿記の最後の部分は理解よりも計算の方が大事なのでなんとかなりそうだったが、商業簿記(連結決算)については本当に「ちんぷんかんぷん」だった。
さらに、過去問集(購入したのは次の本の過去のモノ)は全く手を付けなかった。
簿記3級のときは曲がりなりにも手をつけたのに比べれば雲泥の差である。
4 2回目の試験へ
このように事前準備が極めて不十分だった私は、2回目の試験も敵前逃亡しようかと考える。
実際、受験日の朝、私は直前まで試験を受けに行くかどうか決めかねていた。
合格できる自信は全くなく、「100%不合格になる」と思っていた。
しかし、前回と異なり、勉強を全くしていないわけでもない。
また、実際に試験を受けてミゼラブルな結果を出せば、次こそ真面目に勉強するかもしれない。
さらに、前回、「結果はどうであれ、受けておけばよかった」という考えが頭をよぎった。
そこで、試験会場の私が受験する机の場所まで私の身体を持っていった。
そして、試験。
試験は大問が5つ。
工業簿記の問題(設問4・5)は完全に問題を解ききる。
商業簿記の仕訳の問題(設問1)はなんとか解く。
さらに、知識問題(設問2)も自分の知識を総動員して回答欄を埋める。
しかし、設問3の問題が連結決算の問題であり、全く分からなかった。
もちろん分かりそうなところの答えは埋めたが、ちんぷんかんぷんだった。
そんなこんなをしているうちに試験時間の2時間が過ぎ、終了した。
「手も足も出ず、途中退室する」と考えていたが、予想が外れる。
また、ある程度善戦できたので、充実感もあった。
「試験を受けて良かったー」と思ったことは間違いない。
試験後は自己採点。
連結決算の設問3は壊滅的だったが、設問4・5は満点、設問1と2もある程度解けていた。
もっとも、自己採点の結果から得た感触は「ギリギリ不合格」だった。
「ギリギリかよ~。効率悪りぃ」とも思ったが、「不合格自体は勉強を十分しなかった以上しょうがない」、と自分をハゲ増す、じゃない、励ます。
5 微妙な結果
試験終了直後、ネットにおける簿記2級の反応を見たが、設問3(連結決算の問題)に対する反応はすごかった。
今回、この文章を書くにあたり改めて当時のネットの反応を調べたが、ツイッターではトレンド入りしていたらしい。
私は簿記3級・2級は完全に独学である。
受験仲間はいない。
また、「教科書と問題集しか見ない」という勉強方法を採用していたので、ネット上の話題はほとんど関心がなく、かつ、知らなかった。
だから、試験後の反応は新鮮であった。
もっとも、私は冷めた目で見ていたが。
(この点について私の感想を正直に言えば、「受験者側からすれば、問題を批判することは不毛である。批判することにエネルギーを注ぐなら勉強した方がマシ。事実、合格率は悪くなかったわけだし」になる)
さて、「ギリギリ不合格」を予想していたこの試験。
しかし、結果を開いたらギリギリ合格していた。
私は解答用紙に書いた内容を問題用紙に書き写ししていたが、設問1のある問題について書き写しに間違いがあったらしく、不正解から正解になった問題が1問(4点分)あったらしい。
その結果、ギリギリ不合格がギリギリ合格に変わった。
奇跡の合格、というか、微妙な合格、と言うべきか。
6 感想
私が資格を取ろうとする目的は総じて「勉強すること」・「勉強の成果を形にすること」である。
「資格を使って対外的に何かしよう」という予定は今のところなく(将来は分からない)、簿記2級もその意味で例外ではない。
また、簿記1級を受ける予定はなかった。
だから、簿記2級を合格出来て簿記について一区切りができた、と言える。
さらに、この試験に受かったことで2019年に合格できた資格の試験が2つ(級が違うだけではあるが、2つであることに変わりはない)になり、2019年のノルマが果たせた。
ノルマを果たした意味で、簿記について一区切りがついた意味で、ホッとしたのを覚えている。
しかし、ホッとしすぎたのがいけなかったのか、次の年(2020年)は一切試験を受けなかった。
2021年に慌てて資格を取りまくっているのは別の記事の内容から推察される通り。
そう考えると、この試験の合格が私に良きものをもたらしたのかどうか。
この点については正直分からない。