0 「3級FP技能検定」試験にほぼ合格する
5月23日、私は「3級FP技能検定試験」という資格試験を受けた。
試験終了後に公開された解答速報を見て自己採点したところ、どうやら合格しているようである。
そこで、試験の受検申込から受検までの軌跡を忘れぬうちに記録しておく。
1 受検を申し込みするまで、あるいは、受検の目的
2019年、先代の天皇陛下が譲位なされ、新しい天皇陛下が即位された。
そして、新しい年号・新しい時代が始まった。
「新しい年号・時代が始まったから」ではないが、当時の私は「勉強する習慣を身に着けたい」と考えた。
また、単純に書を読むだけでは効果が薄いので、「勉強する習慣を身に着ける。また、勉強した結果を形にする。具体的には『資格を取る』」ことを考え、実践することにした。
では、何を勉強するか。
当時の私は「会計・経済の勉強をしたい」と考えていた。
この点、司法試験に合格するために法律の勉強をしたことがある。
また、大学の学科は理系だったので、自然科学の勉強もしている。
しかし、経済・会計の勉強をしたことはない。
そこで、会計・経済に関する資格をターゲットにすることにした。
このように決意した2年前、私は簿記3級と簿記2級の試験を受け、これに合格した。
そのうち、簿記3級に合格したときのことは以下に書いた通りである。
次に、1年前。
私はFP(ファイナンシャル・プランナー)と基本情報技術者の資格を取ろうと考え、受検(受験)の申し込みをした。
しかし、勉強する気が起きなかったり、コビット・ナインティーンの影響で試験自体が中止されたりして、いずれの資格も取得できなかった。
そして、今年。
まず、3月末に「去年、私は資格取得について何もできなかった。自分が残した具体的な成果・してきた勉強を『資格』という形にして足場を作る」と考えて、統計検定2級を受験し、これに合格した。
次に、去年の秋に敵前逃亡した「FP3級」を受検することに決めた。
これは一種のリベンジマッチである。
もっとも、「そこそこ勉強してから受検の申し込みをしよう」と考えると、「何時まで経っても勉強せず、受検もしない」ということになりかねない。
そこで、統計検定2級に受検して合格した3月31日の次の日、私は5月23日(昨日)に実施される3級FP技能検定を受検することを決め、即座に受検の申し込みをした。
「二度目のチャレンジ、今度こそ失敗は許されない」とと思いながら。
2 受検の申し込みから勉強開始まで
このように決意して受検の申し込みをしたものの、私は前々日の金曜日までFP3級の勉強をほとんどしなかった。
漫然と「勉強しないとまずいだろうなあ」とは思っていたが、やる気が全く起きなかったのである。
この点、私は次の教科書(リンク先は最新版のもの、ただし、持っているのは「19-20年度版」)を購入していた。
去年、私はこの教科書の1章の部分を読んだが、「覚えることが多いー、やる気しねー」という感じになってしまい、それ以上は読まなかった。
その結果、去年の秋の受検は敵前逃亡したのである。
一般に、FP3級の勉強は約100時間かかると言われている。
受検の申し込みをした4月1日の時点で試験まで約50日あった。
少しずつやれば間に合わない期間ではない。
しかし、2日前まで全く勉強しなかった。
金曜日、「今回も諦めるかー」と思う。
全く勉強していないのだ。
簿記2級に合格したとき、私は「教科書は読んだ。でも、問題集は解かなかった」という状況で「今回は諦めるかー、会場に行くのやめるか」と考えたのだ。
何もしていなければ、さらに行く気がなくなるのは言うまでもない。
しかし、「2回も申し込みをして、2回とも会場に行かないのはまずい。せめて会場には行こう」と敵前逃亡しないことを決意する。
そして、「敵前逃亡しないのであれば、できるだけ勉強した方がいい」と考えて、教科書を広げて、読み始めた。
このとき金曜日の午後5時。
試験開始時間(日曜日の午前10時)まで約42時間である。
3 試験開始まで
私が準備した参考書は上の教科書と次の問題集である(リンク先は最新版、ただし、年度は1年前のもの)。
著者の滝澤ななみさんの著書は簿記3級・簿記2級に合格する際にも購入した。
そのため、教材選びは特に迷わなかった。
この教材は私とあっており、「教材選びにミスはなかった」と考えている。
金曜日の夕方から私は教科書を最初から読み始める。
そして、各セッションの後ろにある問題を解いていく。
教科書を読み終えるのに1日かかった。
既に土曜日の夕方になっていた。
その後、問題集を開いて問題を解いていく。
問題集には学科試験用の問題が約480問、FP協会の実技試験用の問題が100問あった。
これだけ解けばとりあえず大丈夫だろう、と考える。
途中、仮眠を取りながら問題を解き、当日の午前7時半に総ての問題を解き終えた。
なんとか教科書と問題集を1周回した。
本当にぎりぎりである。
2周目をやる時間はなかった。
あと、金曜の夜から日曜日の朝までの勉強時間は約17時間であった。
2日間で勉強できる時間としてはこれくらいが限界かな。
4 試験終了まで
間違えた問題のチェックを急ピッチで行い、お風呂に入って身支度を整え、会場に出発。
会場で検温を行い、受検する部屋に移動する。
試験は午前の学科試験と午後の実技試験の2つ。
前者は午前10時から2時間、問題数は60問。
後者は午後1時半から1時間、問題数は20問。
学科試験も実技試験も共に6割以上の正答により合格となる。
もっとも、学科試験は半分が2択、残り半分が3択の選択方式。
実技試験は全問3択の選択方式。
形式だけを見るとハードルはそれほど高くない。
事実、FP3級の合格率はそれほど低くない。
しかし、試験本番直前は緊張する。
まあ、大学の入試試験や司法試験じゃないので落ちたとしても特に実害はないのだけど。
そして、学科試験。
問題文を読み、正解と自信の有無を問題用紙に記録しながら、正解をマークシートに記入。
60分以内に一通り問題を解き、マークシートに何かが記入された状態になる。
学科試験は試験開始後60分経過すると途中退室が可能になる。
簿記3級の時もそうだったが、途中退室が可能になると同時に多くの人が途中退室を始めた。
この点、私はやることがなくなっても途中退室をする予定はなかった。
満点の自信がない以上、何が起こるか分からないからである。
しかし、簿記3級の場合と異なり、どんどん人がいなくなって、「部屋の中に受検者は私一人」という状況になってしまった。
さすがに、1人だけ(一応、試験監督がいる)部屋のなかでぼーっとするのもあれなので、途中退室する。
途中退室したあと、時間を確認したら残り約20分だった。
その後、午後1時(入室可能時刻まで)まで昼ご飯を食べながら学科試験で自信がなかった問題のチェックをする。
自信のなかった問題のミス(誤答)が分かるのはあれだが、これを通じて完璧な知識が増えたので、まあよかろう。
また、「学科試験は6割以上は正答している」との感触も得る。
午後1時、同じ試験室に入り実技試験を受ける。
実技試験では50分かかって全問の回答が決まる。
やることがなくなったあたりで「残り10分です」と告げられた。
そして、実技試験終了。
金曜日からの緊張が一気に解けた。
4 自己採点について
この試験の模範解答は試験日の午後5時半に公式サイトで発表される。
その解答を見ながら自己採点を行った。
自己採点の結果、学科試験・実技試験、共に正答率が80%以上あった。
これならおそらく合格だろう、とホッとする。
5 感想
去年の秋に敵前逃亡した試験だったので、とりあえず受かってホッとした。
また、4月1日以降、「試験の勉強をしなきゃ・・・」みたいな考えが、私の頭にあって一種の重しになっていたので、それがなくなってホッとした。
もちろん、反省点もある。
なにより直前まで何もしなかったこと。
3月の統計検定2級のときもそうだったが、「一気にやる」というのはメンタル的にも体力的にもきつい。
統計検定2級とFP3級はそれでなんとかなった。
しかし、今後はそうもいかないだろう(簿記2級だったら絶対に間に合ってなかっただろう)。
こういう癖は除去していきたいものだ。
それから、勉強方法について。
「1回目で一通り(ある程度)マスターしてしまおう」というのはよくない。
最低でも2回に分けて「1回目はさらっと読み、2回目はじっくり読む」くらいの戦略でやるべきだった。
そうすれば、1回目に「うわー、大変そうだー。おしまいだー」みたいな発想にならず、一度は最後まで読むだろうから。
最後に内容について。
今回の試験は事前に持っていた知識がものをいった。
確かに、「年金(ライフプラニング)」と「保険」の分野は前提知識がなくて苦戦した。
しかし、金融商品の分野は投資(投機)の経験があり、それに助けられた。
また、税金の分野は自分が確定申告を毎年していることもあり、それに助けられた。
さらに、「不動産」と「相続」の分野は以前していた司法試験の勉強に助けられた。
それらの知識がなかったのであれば、2日間の勉強では間に合わなかっただろう。
さらに、この点を考慮すれば「知っている分野から読み始める」という戦略を取ればよかった、と考えている。
そうすれば、「年金むじー、覚えきれねーよ」みたいなこともなく、読み進めることができたような気がする。
6 今後について
FP3級はほぼ合格した。
しかし、これだけではさわりしか分かっていない気がするので、今年中にFP2級に挑戦したい。
具体的には、9月12日に行われる2級・FP技能検定を受ける。
また、プログラミング関係の知識を深めておきたいので、基本情報技術者の試験も受けるつもりである。
もっとも、どのように受けるかはまだ決めていない。
なお、両試験とも一夜漬けでどうにかなる試験ではない。
今度こそちゃんと準備して試験を受けたいものだ。