薫のメモ帳

私が学んだことをメモ帳がわりに

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『日本人のためのイスラム原論』を読む 1

0 はじめに 『日本人のためのイスラム原論』という本がある。 日本人のためのイスラム原論 作者:小室 直樹 集英社インターナショナル Amazon 著者はこのブログで何度も取り上げている故・小室直樹先生である。 ja.wikipedia.org 次の読書メモはこの本にする…

司法試験の過去問を見直す5 その1

これまで、旧司法試験の二次試験・論文式試験の憲法第1問(人権)の過去問を見てきた。 hiroringo.hatenablog.com 最初は平成3年度、次は平成4年度、3つ目は平成8年度、4つ目は平成15年度、という感じで。 今回から新しい過去問、具体的には平成12…

司法試験の過去問を見直す4 その9(最終回)

今回はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com ここまで、司法試験の過去問(論文・憲法・平成15年第1問)について前提知識や関連判例を踏まえてみてきた。 そして、本件と関連性の深い立法不作為についても前提知識や判例をみてきた。 今回は司…

司法試験の過去問を見直す4 その8

今回はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 前回までで「立法不作為」に関する憲法論・法律論・判例の規範について確認した。 しかし、裁判の背後には具体的な事件がある。 過去問と過去問と類似する判決には「再婚禁止期間の規定によって再婚が…

司法試験の過去問を見直す4 その7

今回はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 前回において「立法不作為を持ち出す理由」と「立法不作為が違憲になる場合」についてみてきた。 しかし、訴訟において争点になるのは国家賠償法第1条1項の「違法」の有無である。 そこで、今回から…

司法試験の過去問を見直す4 その6

今回はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 前回から話題が「立法不作為」に変わった。 そして、立法不作為を持ち出す必要性(背景)についてみてきた。 今回はその続きである。 9 立法不作為が違憲になる場合 被害者救済のために立法不作為を持…

司法試験の過去問を見直す4 その5

今回はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com ここまで平等原則を中心に見てきた。 平成15年の過去問を検討するだけであれば、これで十分である。 しかし、現在の司法試験の場合、このような問題は憲法訴訟とセットで出題されることが推測される…

「痩我慢の説」を意訳する その12(最終回)

今回はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 今回も「私釈三国志」風に「痩我慢の説」を意訳していく。 なお、今回が最終回である。 36 第三十二段落目を意訳する 前回の第三十一段落で榎本武揚の行為に関する論評が終わった。 残りはまとめの部…